MINI-Z CUP 2023 FINAL CHAMPIONSHIPレポート

2024.2.17-18  中部国際空港「セントレアホール」

MINI-Z CUP 2023 FINAL CHAMPIONSHIPレポート

「2023ファイナルチャンピオンシップ」の舞台は国際空港!

毎年エキサイティングなレースを繰り広げるミニッツカップ。2023年度のチャンピオンを決定するファイナルチャンピオンシップが、2024年2月17日(土)と18日(日)の2日間にわたって開催されました。

今大会の大きなトピックは、新たな決戦の舞台として愛知県常滑市の中部国際空港が選ばれたことです。「セントレア」の愛称でも知られる中部国際空港は、中部地方の空の玄関口として多数の利用客を集めていて、そこに作られた多目的会場のセントレアホールでは様々な催しが行われています。そんなセントレアホールに特設ミニッツサーキットが出現しました! 日本各地はもとより、海外からのアクセスも抜群のこの会場には、日本国内の予選で代表権を獲得した選手に、香港、中国、韓国、タイからの遠征組の23名を加え、総勢159名の選手がエントリーし、2023年の王座を争いました。交通の便だけでなく、ご当地愛知名物のグルメが楽しめること、宿泊施設も近いなど空港開催の魅力は多く、選手たちはレースとともにホスピタリティも楽しむことができました。

北京チーム

バンコクチーム

ソウルチーム

香港チーム

ドリフト体験や製品販売ブースなど、レース以外のイベントも充実

ミニッツカップではお馴染みのウレタンマット製サーキットは、中部国際空港メインビルディングと渡り廊下でつながったセントレアホールに設置されました。そしてサーキットの横には京商製品の販売ブースとミニッツAWDによるドリフト教室も設けられ、参加選手と付き添いの人に加えて観客の皆さんにもR/Cの魅力をアピール。さらに大会スポンサーであるR/C機器メーカーの近藤科学(KO PROPO)と双葉電子工業(FUTABA)もブースを構え、選手サポートを実施しつつ、観客からの質問にも答えていました。今大会は、ミニッツレーサーのレースを見てミニッツに興味を持った人にとって、体験走行や、その場での購入ができることなど、R/Cモデルの楽しさに触れる良いチャンスになるイベントになりました。

近藤科学株式会社

双葉電子工業株式会社

レース開催は5クラス。はたして栄冠はどのドライバーの頭上に輝く?

今回のファイナルチャンピオンシップでは、5つのクラスで王座が争われました。注目は2023シーズンから新設された「EVOノービス」クラスで、このクラスはこれまでにファイナルチャンピオンシップの代表権を獲得したことのない選手のみが参加できます。つまり全選手にとって今回が初めてのファイナルチャンピオンシップになります。そのほかには「ナローツーリング」「ワイドツーリング」「オープン」「AWD」の4クラスを開催。EVOノービスクラスのみが大会初日の17日に予選と決勝を行い、他の4クラスは大会初日に練習走行と予選2ラウンド、2日目に予選2ラウンドと勝ち上がりスタイルの下位メイン決勝を実施。予選上位6名に勝ち上がりの2名を加えた8名が各クラスの王座を賭けたAメイン決勝レースに臨みます。

【 ファイナルチャンピオンシップ 】

EVOノービス クラス


[決勝Aメイン]
第2位 上田  蓮第1位 松田 滉平第3位 高橋 史朗
[決勝Bメイン]
第1位 中村 尚翔
[決勝Cメイン]
第1位 竹本 美由希
[決勝Dメイン]
第1位 濱田 貴志

Pos.Driver NameLapTotal Time
1松田 滉平438'05.230"
2上田  蓮428'03.680"
3高橋 史朗428'06.430"
4景山 未知428'08.780"
5町田 典久428'09.370"
6牛久 英作428'09.570"
7松田 友宏418'02.210"
8小谷 直久418'03.130"

短期決戦となったEVOノービスクラスには29名の選手が出場しました。3分間の周回レース方式の予選を2ラウンド行い、そのうちのベスト記録上位8名の選手により、8分間レースのAメイン決勝レースがスタート。合図とともに予選1位の松田 滉平選手が抜群のスタートダッシュを決めたのとは裏腹に2位以下の選手が1周目でクラッシュ! これで後続を引き離した松田選手は危なげない走りでトップをキープし、最終的に2位の上田 蓮選手に約10秒の大差で優勝を飾りました。3位には上田選手から約3秒差で高橋 史朗選手が入賞しました。

ナローツーリング クラス


[決勝Aメイン]
第2位 小泉 大晴第1位 仲田 幸生第3位 田中 晃希

Pos.Driver NameLapTotal Time
1仲田 幸生438'00.840"
2小泉 大晴438'00.890"
3田中 晃希428'00.130"
4金田  勉428'05.310"
5馬見塚 俊介428'05.670"
6藤原  勤428'07.300"
7渡辺 大揮428'07.810"
8西村 徳之428'08.110"

主に国産スポーツカーのボディを使用するナローツーリングクラスは、32名の中から8名がAメイン決勝レースに進出。そのAメインのスタートで大きな波乱はなかったものの、2周目に予選1位の小泉 大晴選手がミスし、2番グリッドからスタートした仲田 幸生選手がトップに浮上しました。
その後は僅差のトップ争いが続き、レース開始から5分を迎えるところで周回遅れのマシンとからんでしまった仲田選手のミスをついて小泉選手が首位を奪還。しかし、小泉選手その後に再びミスを犯してしまい、仲田選手がトップに返り咲きます。一時は仲田選手に対して3秒以上のリードを許してしまった小泉選手ですが、あきらめることなく追走を続け、残りわずかの時点で仲田選手の背後まで迫りました。注目のゴールはほぼ横並びの状態になり、仲田選手がなんと0.05秒差で小泉選手を抑えてナローツーリングクラスのチャンピオンを獲得しました。「実はゴールまでもう1周あると思っていたので、レース終了と聞いて驚きました。でも、前大会の2位から順位を上げることができたので満足です。マシンは8分間完璧に走ってくれました」(仲田選手)。2位に怒涛の追い上げかつクリーンなレースで会場を沸かせてくれた小泉選手が入賞。3位の座は田中 晃希選手のものとなりました。

ワイドツーリング クラス


[決勝Aメイン]
第2位 天野 欣司第1位 片山 和久第3位 中尾 友和

Pos.Driver NameLapTotal Time
1片山 和久478'04.150"
2天野 欣司478'08.320"
3中尾 友和478'09.550"
4菅原 英幸468'00.880"
5前原 康佑468'01.150"
6植松 秀和468'02.440"
7裴  一男468'03.200"
8井塚 琉登458'06.940"

34名の選手によって争われたワイドツーリングクラス。そのAメイン決勝レースでは、ポールポジションを獲得した天野 欣司選手が順調なスタートを切り、序盤は2位以下に差をつける展開になりました。予選2位の片山 和久選手は1周目の終わりに軽くミスしてしまい、一時は予選3位の中尾 友和選手が先行します。しかし、開始から約1分に中尾選手のマシンがフェンスに接触し、これで片山選手が2位に上がりました。2分過ぎには天野選手と片山選手の差が1秒まで広がりますが、ここから片山選手が追い上げを開始し、周回ごとに天野選手との差を詰めていきます。3分以降は1位の天野選手から3位の中尾選手までが一団となって静かなバトルが進みました。5分を過ぎた時点で天野選手がわずかにミスし、これを見逃さなかった片山選手がついにトップの座を奪い取ることに成功しました。その後も超接近戦は続きますが、片山選手はミスを犯さず、天野選手と中尾選手がクラッシュで後退したこともあって最終的には天野選手に先行すること約4秒でフィニッシュラインを通過しました。「レース序盤は慎重にいって、マシンの調子がいいことがわかったので3分あたりからペースを上げました。トップに立ててからはミスしないように注意して走ったのがうまくいきましたね」(片山選手)。60歳のベテラン片山選手が、見事なペースコントロールでワイドツーリングクラスの王者となりました。3位には中尾選手が入っています。

オープン クラス


[決勝Aメイン]
第2位 塚本 凌平第1位 小林 凛太郎第3位 岩田 直哉

Pos.Driver NameLapTotal Time
1小林 凛太郎508'08.690"
2塚本 凌平498'02.330"
3岩田 直哉498'04.690"
4満留  淳498'05.690"
5高橋 良太498'07.450"
6山木 幹生478'00.160"
7内田 真悟478'00.890"
8勝田 隆之193'12.870"

ミニッツカップのカテゴリーで最も速いラップタイムを記録するのがこのオープンクラス。Aメイン決勝レースは他のクラス同様に8分間で行われました。ハイレベルな選手がそろうこのクラスでは、スタートも全車ミスなく行われ、序盤は予選1位の小林 凛太郎選手と同2位の高橋 良太選手が抜け出す展開となります。小林選手のマシンにピッタリとつけてプレッシャーをかける高橋選手でしたが、1分40秒過ぎに小林選手がアウトに膨らみ、これに高橋選手が接触してしまうかたちになりました。不運なことに高橋選手のマシンは転倒してしまい、小林選手は一気にリードを広げます。「高橋選手はクリーンなバトルをする上手なドライバーですので、安心してレースができ、2位との差が開いてからは、ミスしないようにややペースを落としてトップを守ることだけを考えました」(小林選手)。結局小林選手の首位の座を脅かす選手は現れず、2位の塚本凌平選手に約4秒差でトップフィニッシュ。3位には岩田 直哉選手が入りました。序盤を盛り上げた高橋選手は、全選手中最速のラップタイムを記録するものの、転倒が響いて5位に終わりました。そしてオープンクラスで優勝した小林選手は2024年末に香港で開催されるミニッツカップ香港ファイナルに招待されることになりました。小林選手には、香港チームを率いる京商香港代表のケニー氏よりレース出場権とエアチケット、宿泊費が小林選手に与えられます。

AWD クラス


[決勝Aメイン]
第2位 上林  博第1位 吉田 悠希第3位 森田 昇一

Pos.Driver NameLapTotal Time
1吉田 悠希478'02.260"
2上林  博478'07.950"
3森田 昇一468'07.230"
4山本 浩司468'07.230"
5大野  仁458'03.840"
6小蓑 正樹458'04.220"
7川上  道458'06.550"
8小泉  学458'07.760"

大会の最後に行われたのは、ミニッツAWDを使用するAWDクラスのAメイン決勝レースです。ミニッツカップでは唯一のAWDモデルによる争いは、RWDとはまた違った操縦テクニックやセッティングが要求されます。そのAメイン決勝レースのクライマックスは、1周目にいきなりやってきました。ポールポジションからきれいなスタートを切った吉田 悠希選手の背後につけた予選2位の上林 博選手がコース中央のストレートでインに入って見事なパス! これでトップに浮上しますが、今度は吉田選手が最終コーナーで上林選手のインに飛び込んで1位を奪い返します。スタートからわずか1周の間に2度のトップ交代があるという熱い展開に観客も大いに盛り上がりました。首位に戻った吉田選手は好調なペースをキープし、確実に2位以下とのギャップを広げていきます。「上林選手はスタート直後に絶対仕掛けてくると思っていました。だから一度トップを奪われても焦らず、うまく抜き返すことができました。また、上林選手はレース後半のペースが速いので、最後まで気を抜かずに走りました」(吉田選手)。そんな吉田選手はミスを犯さずに走り切り、見事AWDクラスのWINNERに輝きました。2位入賞は上林選手。3位と4位はゴールタイムがまったく同じという珍しいフィニッシュになり、予選で上位だった森田昇一選手が表彰台の一角を獲得しました。

Concours d'Elegance


大岩 秀幸 選手(オープン クラス)

お楽しみジャンケン大会も実施


大会初日のレース終了後には全員集合記念写真撮影を行い、さらに豪華賞品を賭けたジャンケン大会も行われました。協賛メーカーや京商の賞品獲得を目指したジャンケン大会はレースと同様に白熱し、見事賞品をゲットした選手の顔には思わず笑みがこぼれます。こうしたアトラクションもまた、R/Cカーイベントの楽しみのひとつです。

舞崎ひろえさん&ラジコンマガジンさんのフォローアップ


京商アンバサダーの舞崎ひろえさんも、現地でSNSや決勝戦の出走ボード掲示、そして表彰式プレゼンターを担当いただいた。また今回のレース模様は、ラジコンマガジン5月号(2024年4月発売)にも掲載される予定ですので、是非そちらもチェックしてください。

そして舞台は2024シーズンに


すべての決勝レースが終了し、5名の新チャンピオンが誕生しました。
そして会場ではミニッツカップ2024の暫定レギュレーション&スケジュールがサプライズ発表され、参加選手の目は早くも来るべき新シーズンに向けられています。ミニッツレーサーを使った国内最大イベントのミニッツカップは、選手たちの熱い想い、そして笑顔とともにまた新たな1年をスタートします。


今後も楽しいミニッツカップを開催して参りたいと思います。皆様のご参加お待ちしております!