KYOSHO TROPHY 2009 ファイナルチャンピオンシップ
2012年3月3日(土)、4日(日)/神奈川県厚木市 京商サーキット

第18回 京商トロフィーファイナルチャンピオンシップ 大会レポート

 去る平成23年3月3日(土)から4日(日)の2日間にかけ、第18回「京商トロフィーファイナルチャンピオンシップ」が神奈川県厚木市「京商サーキット」にて開催された。本年度全国大会は、昨年3月に発生した「東日本大震災」の影響により、一時中止となった2010年度全国大会に加え、昨年2011年度の全国各地の地区ブロック戦を勝ち抜いた選手が一同に集結し、2年分の締めくくりとなる大舞台の大会となった。

 2010年度に開催した「DRXクラス」「SPADA09Lクラス」「TF-5 SUPER GTクラス」の個人種目3クラスに加え、GPツーリングカーの団体種目となる「ピュアテンGPエンジョイクラス」「ピュアテンGPシリアスクラス」と、2011年度の団体種目となる「DRXシリアスクラス」の合計6クラスを開催!北は北海道、南は九州地区から集結した強豪選手たちが全6クラスで白熱したレースを展開した。

 また今大会は「お祭り」イベントをテーマとし、参加選手だけでなく、一般来場者の方も一緒にイベントが楽しめる大会として開催。恒例の大型販売コーナー「京商市」の出店。ラジコンカーの特価販売やラジコンくじで来場者を多く募った。またメインレース以外に京商社屋のスペースを活用してミニッツレーサー、そして話題の新製品「ミニッツMOTOバイク」のデモ&体験コーナーの展開に加え、昨年末に発売したスロットカー「D slot」の体験コーナーもオープン。

 選手の家族連れや近隣来場者達が初めて触れるRC、スロットカーに終始夢中になって走行させている姿が目立った。そして大会期間限定にて、「2010年度食べログベストラーメン店」に選ばれた「天雷軒」がオープン。大人気のラーメンに加え、カレーライスやホットドッグ、牛串など美味しい料理を2日間にわたり提供!レース期間中は行列が出来るほど人気が高かった。
 また、ファイナルチャンピオンシップ恒例となる、オフィシャルスポンサーのブース出展も行われた。今大会は送信機メーカーの双葉電子工業株式会社、三和電子機器株式会社、近藤科学株式会社 各社ブースに加え、国産エンジンメーカーの老舗、小川精機株式会社もブース出展に加わり、各社が取り扱う新製品の展示に加え、アウトレット品の販売も行われた。

多くの来場者で賑わう京商カップファイナル!

協賛メーカー出展ブース
双葉電子工業株式会社
三和電子機器株式会社
近藤科学株式会社
小川精機株式会社

大会初日は練習&予選ラウンド
大会初日は各クラスの受付及び練習走行、予選2ラウンドが行われた。大会の舞台となる「京商サーキット」は通常営業日とは逆周りで行われ、且つコース内に数箇所のシケインコーナーが追加。普段走行に慣れている選手もこのシケインコーナーの設置に苦しむ人も多く見受けられた。中でも「DRXクラス」はバックストレートのジャンプ台、コース中セクションに障害物が設置された。地区予選同様、この2ヶ所をミスなくクリアするのは非常に難しく、ラップタイムの速さよりも安定した走りがレース上位に進出するキーポイントと受け取れる展開となった。
久々の常設コースでの開催で地元有利かと思われたが、予選ラウンドが始まるとさすがに京商トロフィー常連の全国強豪選手、チームだけのことあり、各クラスの予選タイムは非常に拮抗し、ファイナル大会に相応しい白熱したレースバトルとなった。
大会2日目、予選ラウンド終了後の各クラスのTQは下記の通りとなった。

・DRXクラス(個人種目):「森 敬」選手
・SPADA09Lクラス(個人種目):「大橋 正俊」選手
・TF-5 SUPER GTクラス(個人種目):「吉田 健二」選手
・ピュアテンGP エンジョイクラス(団体種目):「土屋エンジニアリングC」チーム
・ピュアテンGP シリアスクラス(団体種目):「いすゞ自動車A」チーム
・DRXシリアスクラス(団体種目):「日産車体九州C」チーム
第18回京商トロフィ優勝の栄光は誰の手に!
決勝ラウンドは各メイン上位3名(チーム)が勝ち上がりとなる方式。個人種目のレース時間はGPカテゴリー15分間、EPカテゴリーは8分間で行われ、団体種目はBメイン以下15分間、グランドファイナルは30分間のレースとなる。とくに団体種目は速さだけでなく、いかに素早くピットワークをこなせるか、またトラブルなく走りきることが出来るかが見所となった。

ランチタイムを挟み、午後から決勝ラウンドスタート。全クラス決勝レースとあり、予選ラウンドで調子を崩した選手、チームも決勝ラウンドからの挽回も可能とあり、各選手レース前は入念にエンジン調整及びマシンチェックを行う姿が目立った。各クラスグランドファイナルを迎える前にはギャラリーも増え、クライマックスに相応しい雰囲気に会場は包まれていた。2010年、そして2011年の2年分の締めくくりとなった今大会。いずれのクラスも接戦が繰り広げられ、ファイナルチャンピオンシップに相応しい非常に盛り上がりを見せるレース展開となった。

また今大会「DRXシリアスクラス」参加者にはなんと、サプライズなアナウンスが!!
急遽京商ドイツオフィシャルより大会直前に入った「KYOSHO WORLDCUP」開幕の知らせ。今年9月スイス、ロスタロでの開催発表がオフィシャルより会場に発表。優勝チーム2名は招待扱いでの参加、そして上位2位から5位までのチームにも出場権利が与えられた。
第18回京商トロフィーファイナルチャンピオンシップは幕を閉じたが、すでに翌月から19年目の京商トロフィーがスタートすることがオフィシャルより伝えられた。

初心者から上級者まで様々な層が楽しめるよう、開催クラスも大幅に増えた「京商トロフィー2012」。従来のファンのみならず、これからRCレースデビューする方にも強くお勧め出来るイベントである。

RACE MOVIE

DRXクラス(個人戦)

DRXクラス グランドファイナル 【結果】
Pos. Name Lap Total Time Best Time Avr. Time
1 鳴島 芳寛 47L 15'15.840" 18.620" 19.466"
2 藤井 博 46L 15'02.440" 18.560" 19.615"
3 森 敬 46L 15'10.980" 19.110" 19.862"
4 山中 宗士 45L 15'07.410" 18.820" 20.201"
5 馬場 一実 44L 15'13.430" 19.210" 20.739"
6 美和 俊光 43L 15'12.340" 18.950" 20.722"
7 奥田 智明 42L 15'03.470" 18.400" 21.540"
8 石岡 達也 39L 15'15.190" 18.460" 23.579"

SPADAクラス(個人戦)

SPADAクラス グランドファイナル 【結果】
Pos. Name Lap Total Time Best Time Avr. Time
1 大橋 正俊 43L 15'01.520" 18.840" 21.067"
2 高橋 大助 43L 15'14.600" 18.990" 21.307"
3 塩崎 大介 42L 15'07.620" 19.270" 21.693"
4 西本 弘 41L 15'02.100" 19.610" 22.025"
5 長田 崇史 34L 13'12.700" 19.130" 23.487"
6 桑野 宏昌 30L 15'15.900" 19.500" 30.873"
7 楠 起一 18L 9'56.030" 20.590" 33.888"
8 野田 憲一 15L 5'00.360" 19.280" 19.960"

TF-5 SUPER GTクラス(個人戦)

TF-5 SUPER GTクラス グランドファイナル 【結果】
Pos. Team Name Lap Total Time Best Time Avr. Time
1 福島 資和 28L 8'00.090" 16.550" 17.221"
2 吉田 健二 28L 8'07.880" 16.880" 17.522"
3 梅本 辰彦 28L 8'08.670" 16.730" 17.465"
4 関戸 浩二 28L 8'11.680" 17.200" 17.631"
5 佐藤 格 27L 8'02.190" 17.220" 17.908"
6 楠 起一 27L 8'17.330" 17.600" 18.372"
7 松本 孝 27L 8'22.510" 17.900" 18.621"
8 美和 俊光 26L 8'04.770" 17.790" 18.627"
9 桑野 宏昌 25L 8'03.570" 17.550" 19.091"
10 隅田 賢治 24L 8'06.810" 17.770" 20.313"

ピュアテンGPシリアスクラス(団体戦)

ピュアテンGPシリアスクラス グランドファイナル 【結果】
Pos. Team Name Lap Total Time Best Time Avr. Time
1 いすゞ自動車A 107L 30'17.050" 15.590" 16.955"
2 日産車体九州B 106L 30'06.440" 15.810" 17.053"
3 イルカ B 105L 30'02.720" 15.790" 17.186"
4 ピュアデンタルク 103L 30'00.270" 16.240" 17.476"
5 MAKINO R&D 103L 30'00.390" 15.980" 17.447"
6 ひらいし2001R 103L 30'22.490" 16.160" 17.680"
7 イルカ A 101L 30'13.730" 16.610" 17.959"
8 ミスティ B 96L 30'05.020" 16.160" 18.798"
9 2in1とみおかM 94L 30'18.460" 16.150" 19.387"
10 愛知車輌興業B 3L 53.110" 16.990" 17.430"

ピュアテンGPエンジョイクラス(団体戦)

ピュアテンGPエンジョイクラス グランドファイナル 【結果】
Pos. Team Name Lap Total Time Best Time Avr. Time
1 土屋エンジニアリング 93L 30'03.170" 17.000" 19.382"
2 OVERRUN S 92L 30'03.990" 17.150" 19.596"
3 SAKURA-E 91L 30'04.460" 17.430" 19.858"
4 アンデルセンA 91L 30'17.120" 17.030" 20.028"
5 MAKINO R&D 90L 30'18.250" 17.100" 20.218"
6 フジモデルI 83L 30'06.890" 17.580" 19.795"

DRXシリアスクラス(団体戦)

DRXシリアスクラス グランドファイナル 【結果】
Pos. Team Name Lap Total Time Best Time Avr. Time
1 愛知車輌興業WM 92L 30'06.090" 18.020" 19.624"
2 日産車体九州C 92L 30'15.290" 18.270" 19.752"
3 いすゞ自動車 91L 30'04.350" 18.470" 19.833"
4 ぐりーんぐらすR 90L 30'15.570" 18.380" 20.116"
5 フジモデルA 90L 30'15.780" 18.650" 20.179"
6 ISLANDSTYL 88L 30'12.490" 18.680" 20.621"
7 東田鉄工R 88L 30'21.910" 18.620" 20.721"
8 美和工業所 87L 30'19.980" 18.610" 20.964"
9 二幸産業 86L 30'17.120" 19.020" 21.141"
10 アポロキティ 85L 30'00.710" 18.670" 21.213"
KYOSHO WORLD CUP 権利獲得!
スパーダチャレンジ、TF-5 SUPER GTチャレンジで誕生した初代チャンピオン、そして2009年度の京商カップのチャンピオン達が、つかみ取った日本一の歓びをシャンパンファイトで実感。降り注ぐ美酒が虹を描く中で、2009年度京商トロフィーは終了しました。
しかし、すでに2010年度の参加受け付けはスタートしています。今年こそはアナタの出番。お一人でも、仲間とチームを組んでも楽しめる京商トロフィーがお待ちしています。さらに気軽に楽しめるDRXチャレンジも今年度からスタート。ぜひチャレンジしてください!

コンクールドエレガンス!
モータースポーツ専門誌「Racing on」の別冊として、1998年に創刊されたWRCとラリーの専門誌のWRC PLUS(http://as-web.jp/rallyplus/)。今回、編集マン武井英貴さんと、WRCカメラマン小林直樹さんが取材に来てくれた!
また、今回はWRC PLUS編集者 武井さんに、コンクールドエレガンスを選定頂き、その理由をコメントとしていただきました。

■コンクールドエレガンスの選出理由
ラジコンと言えばオリジナリティのあるカラーの方がいいのかもしれませんが、ラリー専門誌としてはやはり実際のラリーカーに目が行ってしまいました。なかでも、シトロエンC4WRCにMINIジョン・クーパー・ワークスWRCのカラーリングを施しているこのマシンは、ボディ形状の違いうまく解消されていて素晴らしいデキでした。ベースは2010年末に発表されたプレゼンテーションカーで、ゼッケンなどもありませんが、1970年代にモンテカルロで優勝を飾ったMINIのイメージを踏襲したカラーリングで注目を集めていました。
実は、3月26日発売の「WRC PLUS vol.02」では、まさにこのMINIとWRCの歴史を紐解く特集を予定しています。こちらもぜひご覧ください!

また、今回のイベントについての感想も頂きましたので併せてご覧下さい。

【3月26日発売! WRC PLUS vol.02をチェックしようぜ!】

 皆さん、こんにちは! WRC PLUS編集部の武井英貴です。
 今回、ラリーカーがベースのエンジンRCカー「DRX」のチャンピオン大会があると伺い、初めてお邪魔させていただきました。
 1/9エンジンカーの走りは初めて見たのですが、エンジン音とエキゾーストが実車のようで迫力満天! 電動RCカーも楽しいですが、あちらはいわばEV車。泥とドリフトとクラッシュが大好きな我々ラリーファンにとっては、尾を引くエキゾーソスト、ストレートで切り替わるギヤの音など、まるで実車のような迫力に、一発で虜になりました!
 しかもこのDRXクラスにはジャンプ台とコブがあり、トップを走っていても一回の転倒で順位が入れ替わってしまうという厳しいコンディション。走る側はイヤかもしれませんが、見ている側はハラハラドキドキ、先が読めないレース展開がイイですね。
 ランサーWRCやインプレッサWRC、ストラトスなどの車種がなく、シトロエンC4WRC一色だったことは残念ですが、チャンピオン大会ともなれば「勝てるマシン」を選ぶのは当然。実車同様、やはりC4WRCは空力的にも優れているということを、まさか1/9のラジコンで実感するとは(笑)。
まあ、今後の車種展開については、DRXの盛り上がりに合わせてきっと京商さんが色々リリースしてくれるはず。ストラトスなどが戦えるようなレギュレーションや、ランチア・デルタ、トヨタ・セリカといった様々な車種展開にも、勝手に期待しています(難しいかな?)
 あとは、実際のラリーと同様にスペシャルステージ方式で、SS1は右回り、SS2は左回り、SS3はショートコースといったかたちででコースを変えてのタイムアタックも面白そう。ミスが許されない状況で、見えないライバルとタイムで戦うのも楽しいと思います。
今年は日本でのWRC開催はありませんが、MINIワークスがついに本格デビューし、シトロエン、フォードと合わせて久々の3ワークス対決になりました。そして来年はフォルクスワーゲン・ポロWRCのデビューも決定していますし、なにやらトヨタのWRC復帰の噂もチラホラ……。非日常の悪路を走るラリーカーのカッコ良さを、「WRC PLUS」で少しでも感じていただけたらうれしいです。