第36回 京商グランプリ2011 
2011年12月18日(日)/神奈川県 BOSS SPEEDサーキット

ここからはじまったR/Cの歴史。36回目を迎えたKYOSHO GRANDPRIXは今回も大盛況!!

おそらく、最も長い歴史を持つR/Cレースイベント。伝統の「京商グランプリ」。今年で36回目の開催となる同大会の舞台は、昨年度と同様に神奈川県愛甲郡にある「レーシングトラックBOSS SPEED」。本年度JMRCA1/8オンロード全日本選手権が開催されたテクニカルサーキットだ。

2011年12月18日(日)、太陽がまだ昇りきらない早朝からGPオンロードマイスターがBOSS SPEEDサーキットに集結。普段から走行している地元参加選手に加え、中京地区、関西地区、そしてワークスドライバーを加え、1/10クラスに46名、1/8クラスに25名、延べ71名の参加と昨年同様に大変盛り上がりを見せる大会となった。開催サーキットのBOSS SPEED様、ならびに、ご協賛を頂戴いたしました各社様へ、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

【ご協賛メーカー一覧(順不同)】
株式会社無限精機/双葉電子工業株式会社/三和電子機器株式会社/近藤科学株式会社/小川精機株式会社/篠永化成株式会社/株式会社ワン・オー・ワン/株式会社タバタ/中嶋レーシング/ドラゴ(道上 龍)/RCマガジン/RCワールド


そしてゲストには、毎年ご参加いただいている、中嶋レーシング SUPER GTドライバー「道上 龍」選手をお招きし、京商ワークスドライバーの「下 高章」選手、「高畑 翔輝」選手、そして、V-ONE R4の開発担当、「菊池 博保」選手が参戦した。また、京商R/C Gr統括の「笹井 強」選手も、ユーザーの皆さんとご一緒に楽しみたいと、7年ぶりにドライバーとして参戦した。

今大会は開会式終了後、5分間の練習ラウンドを1回、その後5分間の予選ラウンドを2回行い、ベストタイムにより予選順位を決定。決勝レースの組分が行われる。前日から練習走行する選手もいたこともあり、練習ラウンドから良好な路面コンディションが得られた。

1/8クラス注目の予選1ラウンド目は、本年度同コースで全日本チャンピオンに輝いた「下 高章」選手が20ラップを唯一叩き出し、暫定トップ。それに続き、地元勢を含めたエキスパートドライバーが19ラップ前半タイムで続く。下選手の「速さ」は当然のごとく際立っているが、今大会のもう一人の台風の目となったチーム京商のヤングドライバー「高畑 翔輝」選手。本年度全日本選手権において見事第3位に入賞していることもあり、期待されていた。その期待を裏切ることなく、予選ラウンドでは常にスーパーラップをマークし、2ラウンド目に20ラップをマークし堂々2番手を獲得。この2名のタイム差は僅差となり、決勝レースの勝負の行方が非常に楽しみとなった。









1/10クラス予選ラウンドは、第一ラウンドにOS SPPEDのワークスドライバー「横山 慎之祐」選手がレース序盤から驚異のラップタイムを連発。5分間をノーミスで乗り切り、周囲を驚かせる18ラップ5分8秒台のスーパータイムをマーク。このタイムはさすがに速く、BOSS SPEEDを知り尽くした地元エキスパートドライバーたちも遠く及ばないタイムとなった。チーム京商ワークスの下、高畑両選手も予選最終ラウンドには18ラップをマークするが、横山選手がTQを獲得。2番手に下選手、3番手に横山選手、そして2ラウンド目に18ラップをマークした入口選手が4番手につける結果となった。

決勝ラウンドはBメインまでは10分間、グランドファイナルは20分間の周回レースで行われた。各メイン上位3名が勝ち上がりとなるルール。予選ラウンドでは上手くまとめられず、下位に沈んだ選手もいたが、全選手が決勝進出となるため、怒涛の勝ち上がりで上位進出することも可能なため、予選終了後は各選手、決勝レースに向けて準備に余念がない。


日が暮れ、照明設備が導入された16時30分過ぎに1/8クラスのグランドファイナルはスタートした。ポールスタートの下選手を筆頭に高畑選手がそれに喰らいつく展開。この2名のラップタイムは抜け出ており、レース序盤から大きく引き離し、優勝は両選手に絞られた。
所々、高畑選手がスーパーラップをマークし、その差を詰めて抜きにかかるが、全日本チャンピオン下選手は冷静且つ、シャープな走りでインをシャットアウト。2名は終盤までほとんど同じラップタイムで周回を重ね。そのままゴールラインを通過。36回目の京商グランプリ 1/8クラスは下選手の優勝で幕を閉じた。

1/8クラスグランドファイナル終了後すぐにスタートした1/10クラス決勝。辺りは完全に暗くなりナイトレースとなった。
レース開始まもなくしてポールスタートの横山選手のマシンにアクシデントが発生。そのまま後退してしまう。その間に下選手、高畑選手がまたもや熾烈なトップ争いを繰り広げた。
グランドファイナルともなれば、勝ち残った10名はいずれもツワモノ揃い。しかしその中でも下、高畑選手は頭ひとつ抜け出たスピードで後続を引き離していく。完全に抜け出た両選手は中盤以降、給油作業の間に高畑選手が前に出る。その差約2.5秒。この差を詰めようと猛烈なラップタイムで下選手が若干詰めるが、高畑選手もラップを上げ、その差をキープ。ギャラリーの誰もが注目する展開の中、最後は高畑選手が完璧なレース運びで見事優勝。全日本チャンピオン下選手に対し、念願の勝利を収めた瞬間だった。


レース終了後はお楽しみの大抽選会のスタート。各メーカーからご協賛頂いた豪華賞品が当選し、大喜びするユーザーが多くいた。

こうして36回目となったGPオンロードの祭典「京商グランプリ」は幕を閉じ、2011年度の京商レースを盛大に締めくくった。

■1/8クラス Aメイン

■1/10クラス Aメイン


■ 小室 崇仁選手 (創業40年。SAGAMI★DO 店長)
⇒今日は調子どうですか?
調子ですかぁ?実は、既にちょっと熱くなりすぎて練習走行では、マシンがひっくり返ってしまいました(笑)。
⇒昨年の京商グランプリと比べて今年はどうですか?
昨年はダブルエントリーの方がかなり多くて、走行準備が忙しかったけど、今年はシングルエントリー1本に集中しているね。今年(2011)は世の中の経済的に非常に厳しい状況だけれども、その中でも、がんばって趣味として大切にR/Cを遊ぶ人たちを応援していました。結局、何もしない人生はつまらないよね。だからできるだけサーキットに出向いて、この楽しさをお客様と共有していましたよ。
⇒2012年はこんなR/C年にしたい。
実は、今日の参加者の中にも、初めてレースに出るという方が多かった。そう自分のできる範囲で楽しんでもらえればいいと思う。お店に来てくれればいつでも、スタートから、サーキットデビュー、そして、レース参加までご一緒しますよ。そんな初めての人を応援する年にしていきたいですね

■ 入口 秀輝選手 (8歳からR/Cを楽しんでいます)
⇒長きに渡り、京商グランプリに参戦。その秘訣は?
R/Cは、やっぱり趣味であり続けられる魅力的なアイテムだからですよ。できる範囲で常に楽しんでいます。いやになる時期があればやめる。やりたければやる。あまり成績にとらわれずに続けています。幼いころから触れていたR/C。その時代時代でいろんな移り変わりはあるけど、今は、1/10GPが楽しいし、1/8GPもいろんなメーカーからリリースされている。現在、僕が操るR4は本当に良く走るレーシングマシンだし、これからも1/8GPも京商にはがんばって欲しい。マシンに新しいギミックが入るとやっぱり、惹かれるよね。そんな製品をこれからも期待しています。

■ 松村親子(お父さん、拓実君 13歳、郁弥君 8歳)
⇒始めたばかり、上の子は1年、下の子は2、3ヶ月。
テレビゲームより面白いね。でも、まだ、僕らは遅いからつまらないよ。と、その裏返しに本気で楽しんでくれている様子を話してくれました。たまたま、相模湖のサーキットでR/Cを見て、これはやってみようと思いました。お店はサガミ堂さんや京商R246に通ってます。そこで、お店の方といろいろ会話しながらやっています。この面白さは、実車の様な楽しさですよね。同じことがR/Cではできる。実物のクルマでできないことができてしまう。これが醍醐味ですよね
⇒みんなにとってR/Cとは?
家族で遊べる、ワイワイやれる遊びです。もっとマシン作りや、サーキットのイロハ、そして、仲間を増やしてもっともっと楽しみたいので、皆さんよろしくお願いします。

■ 田口親子(お父さん、直人君 13歳)
⇒お父さんはR/C暦十数年、直人君は1年目。
今年初めて京商グランプリへ挑戦しに来ました。さっき下選手がマシンみてくれましたよ。
いつもは、相模湖SPLやこちらのBOSS SPEEDで楽しんでいます。今年一年は相模湖のレースに参戦していたので、とても有意義に過ごしましたよ。直人君は去年から始めたばかりとのこと。スピード感が楽しいと話してくれました。これからもお父さんと息子さんと二人三脚で楽しんでくださいね。

■ 道上 龍 (SUPER GT ドライバー エプソン ナカジマレーシング)
⇒今年も参戦ありがとうございます。道上さんのマシンはどんなテイスト?
BOSSサーキットは結構テクニカルなサーキット。だから、一番は良く曲がるクルマに仕上げる必要がありますよね。フロンタイヤは少しや柔らかめ、リヤタイヤはそれに対して固めだよね。全日本と違って、グリップ材は使えないから、基本のマシン自体のセッティングを、ああでもない、こうでもないと、シビアに狙っていく必要がある。僕の場合、やはり実車のセッティング理論というのを試したくなるんですよね。アンダーステアを出さない、かつ、リアを安定させることを狙っている。乗りやすいのと、タイムがでるのは違うんですよね。例えば、僕がやっているのは、ベストの車高に対して、前後差なんかは、ベストなタイヤ径に対して、大体1mmぐらいの方が多いと思うのですが、常に前傾姿勢になるように2mmとかにしたりして、フロントに過重がかかるようにしているんです。また、リアスプリングは硬めにします。沈みこまないようにね。これは良く実車でも行うことだったりします。
こうした実車のアプローチが合うなーと思ったりしています(笑)。エボルバはレーシングカーだから、ちょっとしたことで、影響を受けるし、狙ったとおりに仕上げることもできるよね。あぁー、僕も20周にいれたいなー(笑)。やっぱり、5分間をミスしないように、集中力を保つのが本当に難しいよね。実車だったら、前にも伝えたけど、ストレートで休むことができたりする。あと、例えば、操縦台に上ったときに、西日をさけるように今はサングラスしてるでしょ。これも、ヘルメットをスモークに変えるようなものだよ。そういうイメージ。目もよくないと、動体視力とかね。反射神経も大事だよね。1/8GPはトップカテゴリーだから、ホント面白いし、実車フォーミュラーのレースしているような気持ちになるよ。2012年、R/Cも実車もやっぱり、表彰台の一番上に上りたい。レースとなれば緊張する。この気持ちはスポーツだよね。

■ 高畑 翔輝 (京商ワークス 17歳)
⇒今日の調子は?3年前と全く、走りが変わったけど、何が変わったの?
まぁいつも通り。普段と変わらない感じです。相変わらず順調です(汗)。色々と変化があったと思います。まず、自分でマシンをセットしていくようになりました。以前は下選手に聞きながらでしたが、現在は自分の好みがわかるようになった。2011年を振り返れば、レースは悔しい年だったけど、R4は本当に安定していて、いいマシンです。ロール感も少ないし。そんなマシンをさらに熟成させて、2012年は全日本もがんばっていきます。近頃は僕と年齢の近い人たちもR/Cをやり始めているし、益々負ける訳には行かないですよ。

■ 當銘親子 (大生選手16歳)
⇒京商マシンに拘ってレースしてるよ。
速いですねーのインタビューに、謙遜のR/C暦6年目の大生君。自分からやりたいと始めたとのこと。お父さんの全面サポートがうらやましいです。R246サーキットにも、仲間の親子ドライバーと共に訪れてくれています。今年は1位になれた回数が少なかったことが悔しいかった年でしたと話し、今年京商グランプリは2回目の挑戦。一昨年は2.位、3位をゲットしているエキスパート。まだまだ、上には上がいると話してくれました。2012年は全日本も期待されるヤングジェネレーションドライバーです。

■ 菊池 博保 (京商ワークス R4開発者)
⇒レースが好きな人って沢山いる。と改めて実感した。
やっぱり、お祭りは大切だなって実感しました。不況といわれた今年だったけれども、昨年と変わらない人数が集まってくれたことに感謝しています。「本日レースに出走するのがはじめて」という方も多数いらっしゃることが、さらに嬉しいですよね。京商グランプリは、敷居が高いと見られがちだけど、なんていうか、純粋にレースという醍醐味を深く味わえるイベントと言えるよね。だから、もし、やったみたいというキモチがあれば、このレースを応援してくれるお店に一度足を運んで、気兼ねなくエントリーして欲しいと思います。また、サーキットにいると、R4のセットについては、下選手のタイミング合えば、その質問にも応えてくれるし、開発の僕は、こういう、誰もが"ひっちゃけ"になって走るレースでこそ、わかる、見えてくるマシン特性があるんだよね。調子がいいマシン、上手くセッティングのいっていないマシンなど、大切なフィードバックの場になっていたりするんですよ。大切ですよね、この場は。

■ 下 高章 (チーム京商インターナショナル)
⇒仲間と楽しんでます!
今年の僕のレース活動は、良かったり、悪かったりしたけど、もう少し上手くできればと振り返っています。2012年は、もちろん、R4をもっと煮詰めて、世界戦に向けて照準をあわせていくのが目標であり使命。ワールドチャンピオンに近づく努力をします。そんな準備も、今日きてくれたお客様とのコミュニケーションが大事だったりします。やっぱりR/Cは楽しくなくては!が僕のモットー。来ていただいたお客様のキモチを理解して、僕のノウハウでよければ、どんどん伝えたい。R/Cの楽しさの提供を日々変わらず心がけてます。

⇒この後の決勝は?
自信?無くないですよ(笑)。若手も速いよね。でも20分という短いレースは、タイヤマネジメントより、速さが勝負。面白いレースになると思います。見ていてください。



1/8クラス リザルト
【Aメイン 結果】
Pos. Name Lap Total Time Best Time
1 下 高章 75 0:20:01 15.269
2 高畑 翔輝 75 0:20:12 15.439
3 道上 龍 73 0:20:14 15.797
4 入口 秀輝 72 0:20:04 15.865
5 石島 隆至 72 0:20:15 15.687
6 樋山 信一 72 0:20:15 15.706
7 馬場 俊夫 70 0:20:00 15.889
8 馬場 剛 69 0:20:16 15.478
9 小室 崇仁 52 0:14:59 15.599
10 秋山 典幸 8 0:04:52 16.100
 ■予選結果(PDF)

1/10クラス レースリザルト
【Aメイン 結果】
Pos. Name Lap Total Time Best Time
1 高畑 翔輝 68 0:20:02 17.071
2 下 高章 68 0:20:09 16.976
3 菊池 博保 66 0:20:11 17.444
4 鈴木 武則 65 0:20:07 17.570
5 入口 秀輝 65 0:20:21 17.491
6 古俣 勝幸 63 0:20:13 17.610
7 水越 龍治 60 0:20:08 18.093
8 横山 慎之祐 58 0:18:43 17.122
9 當銘 大生 35 0:13:27 17.299
10 平野 法人 16 0:04:55 17.780
■予選結果(PDF)

PHOTOS!