ナビゲーター
JKB女子RCクラブ 部長
塚本奈々美
「スロットルに反応して吹き上がるエンジンサウンド、コースを疾走する驚きのスピード感…。実車と変わらないメカニズムを備えた“エンジンRCモデル=GPカー”は、大人が本気でのめり込む魅力がたっぷりと詰まったホビーです。エンジンが発生するパワーを駆動力にしたメカニズムは実車と同じ。燃料を注入してエンジンを掛けてのコースイン、セッティングを繰り返しつつマシンを仕上げていく過程は、実際のレーシングカーに接するエンジニアの気分さえも味わえます。バッチリと決まったマシンを操る心地よさは、堪らない達成感が得られるのではないでしょうか。プロセスを踏んで接すれば、気軽にトライできるのもGPカーの魅力です。大人が引き込まれる醍醐味が詰まった、GPカーを一緒に楽しみませんか」
「難しそうに思えるGPカーですが、基本的なプロセスを把握すれば扱いは簡単です。京商には、幅広いモデルがラインナップされていますが、個人的にはV-ONE、DRXといったGPカーは興味深いですね。心地よいエンジン音を響かせつつの走りは、ドライバー魂を刺激してくれます。実際にV-ONEを走らせた〜い…そんな気分になるのは当然ですよね。GPカーは初めてですが、JKB女子RCクラブの部長として、まずはトライしてみました」」
ダブルウィッシュボーンサス、車高調整付きオイルダンパー、2速A/Tといった高い戦闘力を秘めたGPマシンの基本形。リコイルスターターを設けたGXR-15エンジンを標準装備して、エンジン始動を手軽にさせている。
GPカーのガソリンと呼べる、グロー燃料をシャシーのフュールタンクに注入。専用の「フュールボトル」は、燃料注入の作業には不可欠。V-ONE SRのタンクは75ccで、約8分間の走行が可能。
プラグを発火させる専用ツール「スパークブースター」をプラグに接続して、リコイルスターターを引くだけ。エンジンが掛かり難い場合は、混合気(メインニードル)を操作しつつ作業を繰り返す。
エンジンが始動したらプロポのスロットルを開けつつ、メインニードルを操作して混合気を再調整。その後、キャブレターのアイドリング調整ツマミ(スロー)で低速域の回転数を合わせていく。
「スロットルの操作に反応して吹き上がるエンジン音の心地よさは、GPカーの醍醐味ですね。まるで、実車をドライブしている感覚でした。コースをゆっくりと周回しただけですが、その奥深い魅力にハマりそうです。エンジンの調整には、慣れが必要と聞きましたが、是非とも挑戦したいRCカーです」
「V-ONE SRには、空冷2サイクル単気筒型のエンジンが搭載されています。キャブレターで作った混合気を、ピストンが圧縮してプラグが点火する基本原理は、サイズこそ違いますが実車と同じプロセスなんです。軽快なエグゾーストノートを響かせて走るV-ONE SRのトップスピードはノーマル仕様で50km/h。スケール換算するとなんと500km/hを超えるスピード…驚きです。GPカーのパワーユニットに惚れました」
「エンジンはヘッドを開けてピストン、クランクを取り出して整備ができるんです。可愛らしいピストンとコンロッドの形状は、サイズこそ違いますが実車と同じ!」
「金属塊を削り出して成型されたクランクも、手のひらに隠れてしまう極小サイズ。エンジンをバラしてのメンテナンスは、まさにメカニックの気分が味わえます」
「実車でもRCカーでも、その魅力にハマれば行き着く先はチューンアップでは…。レースではマシンの強化は必要で、ノーマルでは難しかったコーナーも、オプションパーツを組み込むことで余裕が生まれる…実車と同じアプローチなんですね。京商のGPカーは、走行性能アップに向けたパーツが豊富にそろっています。シャシーの剛性アップからサスの強化など、パーツの役割を知りつつマイマシンをバージョンアップ。まさに大人の楽しみではありませんか!」
KCスリックタイヤ(ミディアム/2pcs)
コーナーでのグリップ力を左右するタイヤは、走行フィールを激変させる交換パーツだ。硬さの異なるタイプがあり、路面に合わせた選択はタイムアップを左右する。
メインシャシー(RRR Evo.2)
ノーマルシャシーと交換することで剛性が高まり、走行安定性の向上に効果的。各部の剛性を強化するとともに、ステアリングやサスの動きをスムーズにする。
ハードブレーキライニング
(ノンアスベスト/4pcs)
GPカーは実車と同じく、ブレーキを使って減速する。当然、走行を続けるとブレーキパッドは減るので定期的に交換は必須。スペアパーツとして常備したい。
フロント/
リア
スプリング
ソフトからハードといった、硬さの違ったタイプをラインナップ。コースコンディションに応じたグリップ力はもちろん、前後のタイヤの接地感が調整できる。
T.S チューンドサイレンサー(RRR)
マフラーチェンジは、低速域から高速域までの排気効率をグッと高めてくれる。コンディションによっては、エンジンパワーを最大限に引き出す強化パーツだ。
1速スチールギヤ
コーナー出口の加速性能やストレートでのトップスピードはギヤ交換で変更できる。歯数の異なるギヤがあり、サーキットに合わせた微妙な設定が可能だ。
「実車と変わらないメカニズムを備えたGPカーは、私にとってグーンと興味深い存在になりました。エンジン音を響かせつつの走行は、やっぱりリアル。瞬発力があるEPカーもいいですが、スロットルの操作で変化するエグゾーストノート…より実車に近いGPカーに魅せられちゃいました! ミニッツと同様に、京商が展開する本格レースに興味津々です」
京商では、GPカーからミニッツまで幅広くRCカーのレースを開催中だ。なかでも「京商トロフィー」は、“オレたちのモータースポーツ”を合い言葉に、1994年にスタートしたRCレースの最高峰。今シーズンで20年の節目を迎える一大イベントに成長を遂げたイベントだ。個人戦での腕試しはもちろん、チームで力を合わせてレースに挑むスタンスは、実際のモータースポーツと共通する魅力がたっぷり。全国で行われる地区大会の成績をもとに、グランドファイナルで日本一のドライバー&チームを決めるRCカーのシリーズ戦なのだ。2014年シーズンからは、最新のEPシャシーによる「プラズマLM」クラスが新設され、GPカーとEPカーの全8クラスの開催となっている。
京商トロフィーはV-ONEやDRX、プラズマLMといった7種類のシャシーを使い、GP&EPカーの全8クラスのカテゴリーがある。好みのクラスに参戦できるほか、ダブルエントリーも可能だ。
参戦スタイルは、個人戦とチーム戦のふた通り。個人戦は腕前を試す場として、一方のチーム戦は仲間同士の目標ができ、日々の走りがググッと盛り上がる。RCライフがより刺激的になる!
GP、EPカーを問わずマシンのカスタマイズは、競技規定に沿って厳正に決められている。実行委員会が定めるレギュレーションでは、イコールコンディションによるバトルが推奨されているのだ。
「実車のレースにもツーリングカーやラリーといったカテゴリーがあるように、京商トロフィーにもクラスに合わせたシャシーがそろっています。そこでGPカテゴリーの中心マシン「V-ONE」と「DRX」、新たなクラスとなったEPカー「プラズマLM」のシャシーをチェックです。どのシャシーも実車のメカニズムがギュッと詰まったところは共通していますが、走りの特性に合わせて構造がまったく違うんですね。日々のメンテナンスも、RCカーは実車と違ってコンパクトなので、手軽に実戦できそうです。ばっちりとセッティングが決まると、ドライブしていて気持ちいいだろうなぁ〜」
低重心設計のシャシーに、ベルトドライブ4WDを採用したGPカーのフラッグシップ。 極限までロールを押さえたシャシー特性が、優れたステアリングレスポンスを実現。 車高調整機構を設けたオイルダンパーや微調整が可能なサスアームがセッティングの幅を広げ、様々な路面で高いクリップ性能を引き出してくれる。 ラバータイヤを標準装備。
ラリーマシンのアグレッシブな走りを目指したDRXは、舗装路からオフロードまでGPカーならではのスピードとパワーで走破。 3デフを装備したシャフトドライブ4WDに、ロングストロークのサスペンションを装着したシャシーを採用。 車体をロールさせつつの荒削りで豪快な走行フィールが真骨頂だ。 グリップ力に優れたラバータイヤを装着。
新設されたプラズマクラスが採用する後輪駆動のEPマシン。1/12スケールの準レーシングマシン「プラズマアルファRa」のDNAを受け継ぎ設計された、高いポテンシャルが特徴だ。ル・マン24時間耐久レースの参戦マシンをモチーフにした美しいボディのリアルさあふれるバトルに大注目。スポンジタイヤの高いグリップ力で心地よい走りが体感できる。
去る3月22ー23日に開催された京商トロフィーでは、初めてエンジンRCカーの全国大会を目の当たりにするとしいうことで、ドキドキワクワクしました。
ドライバーがいて、スポッターが無線で指示をだし、チーム監督がまとめる…RCレースがモータースポーツそのものということを、改めて認識させられましたね。
1/9のDRX、1/10のV-ONEのレースは、ド迫力で見応え、観戦し応えは抜群!
スタート前にアクセルを入れつつ、エンジンを被らせないようにと排気音がとどろくなかで、会場がレースに集中する緊張感、そしてコーナーの立ち上がりで回転数の合わせ方…今、思い出しても興奮します。
決勝レースでは、飛び入りでMCをさせて頂きましたが、サーキットでは私のテンションが一番上がっていたのではないかと思います(笑)
EPマシンはまた違った味わいがあり、EVのカートレースに参戦している(あっ、ちなみにERKの日本チャンピオンです)私としてはとても興味深かったですね。EPカーは、瞬発力と安定した走りが魅力に感じました。
また、排気ガスが出ない、マシンも汚れないところが特に女性にもおすすめポイントですね!
私はどちらをやろうか猛烈に悩んでるところです(笑)が…どっちもやりたーい!
京商トロフィーのファイナルでは、会場に私が今季GAZOO Racing 86/BRZ Raceを戦う<KYOSHO JKB86>を展示させて頂きました。
ニューデザインが好評だったようですが、2014年シーズンはこのマシンで7戦(富士SW3戦、もてぎ、SUGO、岡山、鈴鹿)を走る予定です。ぜひ皆さまの応援よろしくお願い申し上げます。