2016年度で23回目を迎えた京商カップ。北海道、北日本、関東、中京、関西、中国、九州の全国7ブロックで開催したオフィシャルレースの上位入賞者による頂上決戦となる『京商カップ2016 ファイナルチャンピオンシップ』が3月18日、19日の2日間にわたって開催された。
戦いの舞台となったのは2014年度大会以来、3年ぶりの開催となった京商サーキット。大会前にはコースレイアウトを変更してレースのイコールコンディション化を徹底。これによって、よりエキサイティングでより白熱したバトルが各所で展開された。
また、レース開催期間中は掘り出しものやレアアイテムを多数用意した京商お宝ジャンク市、陸・海・空のR/Cモデルに加えて貴重なビンテージモデルも展示された京商ギャラリー、DRONE RACER&スロットカーカレラの体験操縦、DRONE RACERのデモレースなど、レース以外のコンテンツを多数用意。すべての来場者に楽しんでいただけるような催し物も大盛況となった。
※予選・決勝の全リザルトは下記URLを参照ください。
(http://www.myrcm.ch/myrcm/main?hId[1]=org&dId[O]=25814&pLa=jp)
“より多くの方々にR/Cの楽しさを知ってほしい”という弊社の想いに賛同いただき、2016年度の京商カップ関東ブロックに続いて、メインスポンサーとして大会をサポートしていただいたのが、技術者派遣でおなじみの人材派遣会社『スタッフサービス・エンジニアリング』様。ミネラルウォーターやR/Cカーボディにジャストフィットするスペシャルステッカーなどをエントリー受け付け時に配布いただき、レース後の恒例ジャンケン大会でもピットボックスとお米券をご協賛いただいた。
また、今大会ではオフィシャルスポンサーである双葉電子工業様、三和電子機器様、近藤科学様の送信機メーカー3社、国産エンジンメーカーの老舗である小川精機様、スケール感の高いボディでおなじみのABCホビー様がブースを出展、手厚い選手サポートをいただいた。さらに、R/C専門誌のRCマガジン様とRCワールド様の2誌にご取材をいただいた。
今大会にご協力いただきましたスポンサー様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
昨年大会のEPバギージュニアクラスを制した小泉選手が、予選で2位に8秒もの大差をつけてTQを獲得したEPバギー一般クラス。決勝Aメインでもスタートから小泉選手がトップを快走。これに続く2番手の北井選手も3番手の平城選手とバトルを展開しながら小泉選手を激しく追走。その結果、レース中盤には5秒近くあった小泉選手と北井選手との差は、レース残り2分の時点で約2秒差にまで一気に縮まる。しかし……ここからが小泉選手の見せ場だった。小泉選手は大半の選手がミスを恐れて走行を避けていたショートカットジャンプを果敢に攻めて北井選手との差を再び広げ、トップをキープしたままゴールを駆け抜けた。
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小学生以下が参加規定となっているこのクラス。今大会では5名のキッズドライバーがエントリーした。予選では小学5年生の所選手が他の選手を圧倒するタイムをマークしてTQを獲得。これに小松選手、高橋選手、富岡選手、前田選手が続く。決勝Aメインでは各選手ともベストラップにこそ大きな差はなかったものの、常に安定した走りでレースをリードしたのは所選手だった。26秒台後半〜27秒台前半のラップタイムをコンスタントに刻んで独走での優勝を決め、昨年大会で7位に終わったリベンジを見事に果たした。
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予選上位のチームがスタートで出遅れる波乱の幕開けとなった決勝Aメイン。レース序盤は好スタートをきったMAKINO R&D AとぐりーんグラスRがトップ争いを繰り広げたが、14周目のストレートエンドでMAKINO R&D Aがもたつく間にぐりーんグラスRがトップに浮上。さらに、3番手を走る美和工業所も一気に差をつめて三つ巴のトップ争いに発展。その後もつかず離れずの白熱したバトルが繰り広げられたが、給油とドライバーチェンジをスムーズにこなしたぐりーんグラスRがトップをキープしたままチェッカー! 昨年大会に続く連覇を達成するとともに、2016年度シーズンで幕を閉じるDRX GPチーム戦の最後のチャンピオンに輝いた。
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予選ラウンドでひとり抜きん出たタイムをマークしてTQを獲得した渡部選手の速さが際立ったピュアテンGP個人戦。決勝Aメインでも渡部選手の速さは健在で、レース序盤から他の選手に比べて0.3〜0.4秒速い17秒前半のラップタイムを立て続けに叩き出し、2番手を走る4番グリッドスタートの縄間選手とのアドバンテージを一気に広げていく。激しく順位を入れ替える展開となった後続の選手たちを尻目に、レース中盤には全車をラップ遅れにする独走態勢を築いた渡部選手が、その後もまったく危なげない走りで見事なポール・トゥ・ウィンを達成。昨年大会で10位に終わった雪辱を果たした。
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全車きれいなスタートをきって予選の順位のままフィニッシュラインを通過したオープニングラップだったが、3周目にトップを走行していたポールスタートの渡辺選手がパイロンにヒットするミスを犯してしまう。そのミスを逃すことなくトップに浮上した2番グリッドスタートの谷井選手は21秒台中盤のラップタイムを連発し、他の追随を許さない安定した走りを披露。いっぽう、レース中盤に2番手に浮上した高倉選手も谷井選手と同等のタイムで周回を重ねていき、その差をじわじわと縮めていったものの谷井選手には一歩及ばず……。全ラップを21秒台でそろえるという抜群の安定感をみせた谷井選手がトップゴールを果たした。
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予選ラウンドから圧倒的な速さをみせつけてTQを獲得した小泉選手が好スタートをきってレースをリード。これに4番グリッドスタートの北川選手と2番グリッドスタートの荒川選手が続く展開となる。しかし、予選から絶好調の小泉選手はレース序盤からハイペースでラップを重ね、参加選手唯一となる18秒台のベストラップをマークして後続を徐々に引き離していく。レースの折り返しとなる4分経過時点でトップの小泉選手と2番手の北川選手との差は約6秒。周回を重ねるごとに2位とのアドバンテージを広げていった小泉選手は最終的に全選手をラップ遅れにする独走劇を演じて、昨年の大会に続く連覇を達成した。
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TQのTeam Hondaがクラッシュで最下位まで順位を落とす波乱の序盤となった決勝Aメイン。好スタートでトップに立った予選5位のピュアデンタルクリニックにミサト技建、インフィニティが続く。しかし、ミサト技建がクラッシュでトップ争いから脱落、2番手に浮上したインフィニティがピュアデンタルクリニックもかわして一気にトップに立つ。その後もトップを守ったインフィニティだったが、レース中盤から驚異的な追い上げをみせていたTeam Hondaがインフィニティをかわしてトップに浮上! 参加チーム中、唯一となる16秒台のスーパーラップで周回を重ねるTeam Hondaがそのまま優勝するかと思われたが、レース残り数十秒のところでTeam Hondaがまさかのスローダウン……。再びトップに立ったインフィニティが逆転で優勝を飾った。
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Concours d'elegance
小泉 学選手(Plazma Lmクラス) |
木下みつひろ 選手
DRX GPチーム戦に参戦の木下選手は、実車のレーシングドライバーとしてもおなじみ。「実車とR/Cカーは通じるものがあってすごく勉強になるんです。他の選手にセッティングを聞くことも多いのですが、“そんなことまでしているんだ”って本当に驚かされっぱなし。だから、R/C歴は30年以上と長いですが、いまだに極められません(笑)。でも……極められないからこそ、いつまでもやり続けられるし、それが楽しいんだと思います」前田優斗 選手
「R/Cカーも含めてクルマが大好き」と語る父・明伸さん(左)の影響でR/Cカーを始めた小学6年生の前田選手。R/Cカー歴は2年と短いものの、京商カップファイナルは2回目の出場というセンスのよさ! そんな前田選手は「R/Cカーのレースはすごく緊張するけど、それ以上に操縦することがおもしろいし、他の選手と競争するのも楽しいです。だから、ゲームをすることよりもR/Cカーの操縦に夢中です」とR/Cカーの魅力を語ってくれた。本房 健 選手
「仲間とワイワイ楽しめるところがR/Cカーの最大の魅力だと思っていますし、レースで人と競うことって、すごく非日常的な出来事だと思いませんか? 普段なら決して体験できないことが、R/Cカーでは比較的簡単に体験できてしまうんですから。いったんはR/Cカーから離れていましたが、そんなところに惹かれたこともあって、約30年間ずっと趣味として続けているんでしょうね」所 凉生 選手
「お父さんがR/Cカーを走らせているのを見ていて楽しそうだったから」とR/Cカーを始めたきっかけを教えてくれたのは、小学5年生の所選手。今回はEPバギージュニアクラスに見事優勝を果たしたが、他にもガンベイドやV-ONE R4を走らせているという。「R/Cカーはゲームと違って迫力があるし、操縦している感もゲームよりあります。人と競うのも楽しいですので、今後もR/Cカーを趣味として続けていきたいと思っています!」Team HONDA
「京商カップのよさは“チーム戦”ということ。目標を立てて、それに向かって戦略を練ってレースで実践するプロセスがおもしろい。しかも、GPカーのレースは長丁場なので戦略を練るうえでは給油のタイミングやタイヤのグリップなども考慮しなければならない。そういう点においては、実車感がすごくあると思うんです。だから、僕たちは“小さなスーパーGTを戦っている”と思っています」とは丸山泰佑選手(左)& 青木京市選手(右)