京商●こだわりの系譜 妥協なき姿勢の証言に、耳を傾けて欲しい。

世界選2階級制覇を実現した男。 二階堂 嘉信

もうと思ったんですが、引っかかるものがある。そこで世界選まで2週間を切ったギリギリの時にイタリアに行き、エイドリアン・バーティンとシリオエンジンの工場で3日間寝食を共にしました。寝ても覚めても試作と試走、そしてやり直しが延々と続くんです。言葉も文化も習慣も違う場所で摺り合わせをやるんですから、自分で云うのも変ですが、とんでもなく大変でした。でも共通の目的があるから踏ん張れた。お互いにね。京商マシンで世界一になるんだっていう強固な意志がスタッフ全員に働いたんです。

WEB:
そしていよいよ願いが成就する日が来ましたね。


二階堂:
はい(笑)。アメリカで開催された2003年度の世界選手権でコラーリ選手が優勝し、ジョシュ・シール選手がTQを獲得、下選手も3位入賞という戦果を達成できたんです。とりあえず社員全員、そしてとりわけ会長には喜んでもらいました。5年以内という約束も守れましたし、胸がいっぱいになりました。この仕事を選んで良かったなと思いましたよ。


WEB:
そうですよね。そういえばこの時名前がエボルバに変わっていますが?


二階堂:
実はアメリカのあるメーカーがファントムを商標登録していましてね、そのせいで名付けの制約が増えそうなのと市場の誤解を招かないようにと、会長が命名しました。結果としてまさに革命的な成果となりましたから、相応しい名前だと思いました。
WEB:
そして翌年10月にはブラジルで開催された第一回IFMAR1/10GPツーリング世界選手権で、V-ONE RRRが初代世界チャンピオンの座をつかみますね。







二階堂:
エボルバでつかんだノウハウとレーシング思想を1/10ツーリングマシンに注ぎ込んだのがV-ONE RRRです。そのアドバンテージが遺憾なく発揮できた選手権でした。これも嬉しかった。努力は必ず報われると思いました。いい経験になりました。



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