優勝!TQ!上位独占!
インファーノMP9 TKI3が圧倒的勝利を達成!
●平成25年10月25日〜10月27日/三重県松阪市『RC LAND 23』
日本の頂点を決する運命の日が、今年もやって来た。
全国各地の予選を勝ち上り、代表として集ったエキスパートは64名。
その中のたった1名だけが勝利の栄冠を手にできる。
運よりも、実力だけが未来を決める勝負の世界。
やはりインファーノMP9 TKI3は強かった。
圧倒的速さで駆け抜け、TQを奪取し、そして全日本チャンピオンの座を見事に獲得。
さらにはグランドファイナル最多進出マシンという栄誉も手に入れた。
その活躍の模様をお伝えしよう。
緒戦から快調なインファーノ
列島を揺るがせた台風27号の影響が残る悪天候の中、日本一を決める戦いは始まった。場所は三重県松阪市RC LAND 23サーキット。残念ながら大会初日のレースは天候不順ですべてキャンセル。コースコンディションが回復した2日目より、練習走行を1回、予選を1回行うこととなった。
その間、京商ブースでは元世界チャンピオンでインファーノの開発者である金井氏による「MP9クリニック」を開催。今回は全日本選手権参加者を対象として、1対1でのセッティング講座を実施。金井氏ならではのノウハウや経験と実績を元に、攻略法を伝授。多くのドライバーが訪れてくれた。
13時50分より各ヒート5分間の練習走行を開始。練習走行では37秒前半台を出したチーム京商JAPANの高城 航選手に注目が集まる。そしてセカンドタイムは、前年度ディフェンディングチャンピオンのチーム京商インターナショナルの田中和哉選手が続いた。
台風明けの強い風が吹き付ける中、ジャンプセクションの多い「RC LAND23サーキット」は、マシンが風の影響によるトリッキーな挙動変化を起こしやすく、細かな砂埃にも苦悩させられる。そんな中、視野確保のゴーグルなどの対策を行いながら本日1回の予選ヒートも順調に進み、京商勢は快調。
今回、コントロールタイヤに指定されたのは「AKAインパクト」。多くの選手はAKAのインパクトVコンパウンドを選択。コース路面も乾き始め、砂埃を巻き上げてのバトルが始まった。その砂埃は各駆動系の消耗を早め、メンテンナンスも重要となる。各車が苦戦の中、事前練習より好調のインファーノMP9がTOP4を独占。第1ラウンドを制したのはTeam京商JAPANの高城 航選手という結果になった。
この後、大会3日目に行われる残り2ラウンドの予選結果によって、シード選手2名が決まる。
劇的な予選でファイナル進出
最終日は朝一番から予選2回目が行われた。強風が吹き荒れた昨日とは打って変わり、風はおさまり、穏やかな天候。全選手が揃っての予選がスタートした。
ヒートを重ねるごとに各選手ともベストラップを更新。ゼッケン1番で最終ヒートを迎える高城選手に期待を寄せるが、ゼッケン2番の河本篤志選手、3番の田中和哉選手、4番の昨年度3位の木村拓也選手と続いており、チーム京商ワークスドライバーによる1番、2番、3番、4番での2ラウンド目となってしまった。
その結果、アグレッシブな速さとセンスで勝負する高城航選手が2ラウンド目も制し、残す3ラウンド目を前にして、インファーノMP9のTQ獲得が確定となった。
そして、残るシード枠1つを賭けた第3ラウンドがスタート。京商インターナショナルドライバー田中和哉選手と河本篤志選手のどちらが獲得するか、緊迫感あふれるレースとなったレース開始1分30秒後、河本篤志選がビックエアーのジャンプ着地後にエンジンストール。シード枠争いから戦線離脱。終始トップを走行している田中和哉選手は完璧といえる走りで、大会期間でのファステストタイムを叩き出してゴール。3ラウンド目を制してシード枠を手にした。この時点でグランドファイナルへの切符2枚をインファーノMP9が決めた。
予選ラウンド終了した時点では、ポイントの上位4台がインファーノMP9 TKI 3による独占となった。
セミファイナルでも圧倒的強さ!
セミファイナルはグランドファイナル進出を賭けての20分間耐久。A/Bブロックに分かれてのレースだ。
Bブロックには、予選結果の偶数組に1/4から勝ち上がった3選手を加え計10名でのスタート。ここには昨年準優勝の河本周選手、同3位の木村拓也選手、同8位だった小林英樹選手が参加。
スタート直後から、カーゼッケン1番をの河本周選手が終始トップをキープ。2番手にはカーゼッケン6番をつけた小林英樹選手と続く。
1回目の給油時点でも河本選手はTOPをキープしたままコースに復帰。2位以下との差をつけたままゴール。完璧なレース運びでグランドファイナル進出を確定させた。
2位以下は木村選手、遠藤選手、小林選手、鶴田選手、大阪選手と続く。12分過ぎには3番手に小林選手が浮上。グランドファイナルの残り1枠に滑り込める4番手争いに会場の視線が集中する。
レース残り4分で遠藤選手、大阪選手と順位が入れ替わる波乱の展開。残り時2分まで1秒以内の接線。ここで遠藤選手がコースアウト。無情にもそのままレースは進み、セミファイナルBブロックは終了となった。この組からは3台のインファーノMP9がグランドファイナル進出を決めた。
この後セミファイナルAブロックでは河本篤志選手、1/4から勝ち上がりを決めた八木則之選手が出走。また、TQを獲得した高城航選手のメカニックでもあり父親の高城学選手がゼッケン6番をつけて参戦。本年度行われた京商マスターズにおいて、エキスパートクラス3位という実績の持ち主でもあり、もしグランドファイナルに進出すると、全日本選手権初の親子対決となる。俄然会場の視線が集中する結果となった。
そしてセミファイナルAブロックがスタート。直後より、カーゼッケン1番の河本篤志選手がさすがの実力でトップに躍り出て、そのポジションをキープ。そのままTOPを明け渡すことなく、チェッカーを受けた。2番手以降は周回を重ねる毎に順位がめまぐるしく変わる。
レース後半には4番手走行の高城選手と、そのすぐ後を走る茂木選手との熾烈なバトルが勃発。1周3秒差以内という僅差でデッドヒートを展開。最後は茂木選手のミスにも助けられて4位でチェッカーを受け、見事自身初のグランドファイナル入りが決定。悲願のファイナル入り決定の瞬間、会場にいたすべての参加者・サポーターが拍手で称えたのが印象的であった。
結果、セミファイナルAブロックからは、河本篤志選手。そして高城学選手と2台のインファーノMP9がグランドファイナルに進出した。
グランドファイナルはインファーノの共演!
グランドファイナル進出車は、10台中なんとインファーノが7台。1時間の長丁場となるグランドファイナルは、インファーノ同士の戦いという様相を呈してきた。
レーススタート直後、TQ獲得の高城選手が転倒。2番手からスタートした田中和哉選手が後方より追い上げる形となり、オープニングラップを取ることに。そして2週目には今度は田中選手が転倒し、5番手の選手がトップに。2番手以降は周回を重ねるごとに順位がめまぐるしく入れ替わる。1周目トップを取った田中選手は9位まで順位を落とすというドラマチックな展開。
1回目の給油ではタイミングや駆け引きもがありながらもTOPをキープした安宍選手。2番手には河本周選手、3番手には木村選手、4番手に河本篤志選手、5番手に高城航選手が追いかけるという、予想通りのインファーノの共演。トップとの差は約5秒。メインストレート1本分となったところで2回目の給油を迎える。
ここで河本篤志選手は他車に比べて1〜2周後に給油という作戦に出る。そしてそのままレースは中盤戦へ。
安宍選手が3回目の給油後にPIT出口でミス。コースフェンス部のロープにタイヤを絡めてしまいTOPを譲る事に。その隙に河本篤志選手、河本周選手、木村選手、高城航選手の順となるが、ここで河本篤志選手もロープに絡んでしまうアクシデントが発生。ちょうど折り返しの30分経過のところで、河本周選手、高城航選手、木村拓也選手、安宍選手、河本篤志選手という順番に。しかしここへ来て安宍選手がコース外周にあるビッグジャンプでコースアウト。7番手まで後退。田中選手はじわじわと巻き返しにかかり、6番手まで浮上する。河本周選手は大会唯一の36秒877のタイムをマークするが、2位との差は0.8秒差。
高城選手の細かいミスもあり河本篤志選手が2番手に。3番手には木村拓也選手、4番手に高城航選手、5番手に田中和哉選手と上位5台がインファーノMP9の編隊を組んで走行。しかしトップとの差はほとんど無く10秒以内にひしめく接戦。誰が優勝してもおかしくない激戦となった。
中盤から終盤に差し掛かり河本周選手がミス。残り20分を切った頃に河本篤志選手がトップに躍り出る。残り10分を切ろうかというところでも激しく2位以下の順位の入れ替わりが続く。
上位陣終盤のレース展開は、トップは河本篤志選手。2番手木村拓也選手、3番手河本周選手、4番手田中和哉選手、5番手高城選手、6番手小林英樹選手となり、残り時間5分を切ったところで最後の給油。
木村選手は給油のタイミングを1周ずらしながらも3番手でPITアウト。4番手との差も縮まりながらも何とも表彰台を死守したいところ。だがジャンプで痛恨のミス。4番へと後退。代わって3番手には田中選手が浮上する。
そしていよいよファイナルラップを迎えるものの、1回のミスでポジションが変わる接近戦。しかし、やはり強いのは最後までミスなく走り切る実力。レース経験の多い河本篤志選手が、そのままゴールをくぐり、チェッカーを受け、2013年度のチャンピオンの座を獲得。河本篤志選手の冷静な対応状況判断はさすがの実力といわざるを得ない。かくして1/8 GP オフロード全日本選手権9年ぶり4度目の優勝を成し遂げたのだった。
そしてインファーノとしてはグランドファイナル10台中7台という最多進出を果たし、優勝から6位までの上位を独占。さらにはTQも獲得と、まさしく世界の頂点を極め続けたマシンに相応しい戦果をなしとげた。また全体数64名中インファーノでの参戦は約半数の30名という、インファーノならではの強さを証明した全日本選手権であった。
優勝 | 河本 篤志 | (京商) | *チーム京商インターナショナル |
2位 | 河本 周 | (京商) | *チーム京商ジャパン |
3位 | 田中 和哉 | (京商) | *チーム京商インターナショナル |
4位 | 木村 拓也 | (京商) | *チーム京商ジャパン |
5位 | 高城 航 | (京商) | *チーム京商ジャパン |
6位 | 小林 英樹 | (京商) | *チーム京商ジャパン |
7位 | 安宍 祐一 | | |
8位 | 大阪 賢治 | | |
9位 | 竹内 康久 | | |
10位 | 高城 学 | (京商) | *プライベーター |
【左上】 八木則行(17位)| 木村拓也(4位)| 小林英樹(6位)| 高城学(10位)
【左下】 田中和哉(3位)| 河本篤志(優勝)| 金井祐一| 河本周(準優勝)| 高城航(TQ・5位)
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