ドリフトヒーローは誰だ!? MINI-Z ドリコン The Movie & One Shoot
Nikon かっこいい写真の撮り方教えます!!
誰でも自分のマシンには憧れがある。
持ち歩くケータイの待ち受け画面に自分のマシンがかっこよく写っていたら、友人に愛車の自慢話もさり気なく切り出すことができる。
そんな、かっこよく愛車を写す方法をご紹介しよう。
(1)マシンのディテールを撮る
まずはマシンをじっくりと撮影してみよう。ここで説明するのはいわゆる「物撮り(ブツドリ)」の基本。
様々な応用も可能なのでぜひマスターしたい撮影技術だ。
NIKON COOLPIX S600 で撮影。
【撮影条件】 5mm(35ミリ換算で28mm相当) ISO400 1/15sec F2.7
●28-112mm相当(35ミリ換算)のズーム域を持ち、ワイド+マクロモードで
 迫力ある画を撮ることが出来るカメラだ。
柔らかい光をあてよう
まず心がけたいのは“いかに照明を当てるか”ということ。照明しだいで写真は良くも悪くもなる。街の写真館ではカメラよりも照明装置の方にお金を掛けている。そのくらい照明装置は大事なアイテムだ。
そこで簡単な方法を説明しよう。
まず、A3程度の大きさの白い紙を用意する。その紙を半分(A4)くらいから緩やかに曲げて床部と背景部を作る。緩やかに曲げるのは、床部と背景部との境界線を目立たせないようにするためだ。
そして床部の上にマシンを置く。
さらに可能ならば天井部分と左右の3面を、トレーシングペーパーなどの半透明な紙で覆うようにする。そして横からトレーシングペーパーで拡散された光を当てるのだ。
もし3面をトレーシングペーパーで覆うことが難しければ、単にレースのカーテン越しの光を当てるなどしても良い。ともかく「拡散」した柔らかい光が当たるようにすることが大切だ。
その上で、ホイールをちょっと光らせるとか、アクセントとなる気持ち強い光を当てることはある。そこはお好みと言うところだろう。デジタルカメラは撮り直しがいくらでも可能なので、ぜひ自分の好みをつかんでみて欲しい。
ちなみにカメラのストロボを発光させる場合は、ティシュペーパーなどで拡散させるか、可能であれば壁や天井に一旦光りを当てる「バウンス撮影」を心がけ、直接マシンにストロボの光を当てないようにしたい。
三脚も必須なアイテム
じっくりと良いカメラアングルを決めるためにも、条件を変えて撮り直しをするためにも、さらには手ぶれを防ぐためにも三脚は必要なアイテムだ。今流行の手ぶれ防止機能は、後で述べるマクロ撮影では手ぶれ防止の効果が半減する。手ぶれ防止は、カメラの左右上下の回転方向の補正には有効だが、回転の伴わない左右上下への平行なカメラの移動に対しては効果を発揮しない。
高級な三脚は必要ないが、少なくとも水平・垂直方向が独立に回転できる雲台(カメラを載せる台のこと)の付いたものが便利だ。
マクロモードと広角で迫ってみよう
かっこいい写真を撮るためには、必ずしも高価な一眼レフは必要ない。特に一眼レフには無いコンパクトカメラの特徴として、マクロモードに強く被写界深度が深い(ピントの合う範囲が広い)ことが挙げられる。マクロモードとは、一般的にチューリップの形のアイコンで表示されるモードで、数センチまで近づいて撮影することを可能にするモードだ。このモードに設定し、レンズのズームポジションを広角にしてマシンに迫ってみよう。撮影距離は数センチ。遠近感があり立体感のしっかりした、ワイルドなマシンが撮れるだろう。
低い位置から狙おう
つい上から目線で撮りたくなるマシンだが、実際に車を上空から撮影することはまずない。上から撮るとオモチャっぽくなってしまう。ここはマシンの車高よりやや高いところにカメラをセッティングしよう。よりリアルな写真が撮れるはずだ。
●ここではヘッドライトにフォーカスしてみた
迷ったらフォーカスはフロントホイールを狙う
撮影ではフロントグリルをシャープに表現したい。
ところでカメラの被写界深度(ピントが合って見える範囲)は、ピントを最適に合わせた位置の手前に狭く、奥に深い性質がある。マシンを斜め前方から撮影する場合、ピント合わせに迷った場合には、手前のフロントホイールにフォーカスポイント(ピントを合わせる箇所を示すマーク)を重ねてピントを合わせよう。そうすれば少なくともヘッドライトからワイパーの辺りまでは被写界深度に入るだろう。詳細は撮影するカメラのレンズによっても変わるので、撮影しながら確認して欲しい。
また前述のマクロモードではカメラのオートフォーカスが合いにくくなる。なかなかピントが合わないようであれば、カメラのピントの合う範囲よりもカメラがマシンに近づき過ぎている場合がある。そのような場合にはちょっとカメラをマシンから離してみよう。
NIKON D300 + AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm + SB-800
【撮影条件】 200mm ISO400 1.6sec F18 露出補正+0.7EV
●かなり難しい撮影条件もタフにこなしてくれる、ここ一番で頼りになる
 カメラシステムだ。
望遠で撮影してみよう
カメラのズームを望遠側に設定する。物撮りの定番ともいえる撮影方法だ。撮影条件を選べない場合でも望遠側では背景がボケやすく、また背景の写り込む範囲も狭くなるので、作品を浮き上がらせて見せたいときに都合が良い。
もしコンパクトカメラで十分な望遠効果が得られない場合には、デジタルズームも活用しよう。800万画素のデジタルカメラであれば、2倍程度までのデジタルズームを使用した場合、カメラの液晶画面上ではその時だけ画像が荒れて見えるが、実用上ブログに掲載したり、L版プリントをするうえで画質の劣化は無いと考えて良い。柔らかい照明光との組み合わせで、エレガントで大人の雰囲気のマシンが狙えるはずだ。
(2)マシンの動きを表現する
誰しもダイナミックに走るマシンの動きを写真で表現したいと思うはず。ただそこには高度なテクニックが必要で失敗も多い。
でも期待通りの写真が撮れたときの喜びは格別だ。デジタルカメラではフィルム代も気にならないので、ぜひチャレンジしてみよう。
NIKON COOLPIX S600 で撮影。
NIKON D300 + AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm + SB-800
75mm ISO800 1/13sec F/7.1 露出補正-1EV 後幕シンクロにて撮影
●ホイールの動きも表現したかったが・・・。
後幕シンクロを利用した動きの表現
デジタル一眼レフであれば、シャッターが閉じる直前にフラッシュを発光させる「後幕シンクロモード」が設定可能な機種がある。このモードでシャッタースピードを1/15秒程度に設定し、マシンをゆっくりと走らせながら撮影してみよう。カメラは三脚に固定で良い。
シャッタースピードが1/15秒の場合、撮影ポイントをマシンが通過する1/15秒前にシャッターボタンを押せばよい。気持ち早めにシャッターを切るイメージで、何回かやればコツが飲み込める。
撮影のポイントは、背景を黒くすること、そして照明は明るすぎないこと。動きを表現するために流れる様なアクセントとなる光を入れるのは良いが、フラッシュの光はマシンに直接当てないようにしたい。
NIKON D300 + AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm + SB-800
【撮影条件】 82mm ISO2800 1/25sec F/5 NORMAL VRモード使用
流し撮り
流し撮りとは、遅めのシャッタースピードで、動くマシンに合わせて水平にカメラを振りながら、マシンは極力ブラさないようにしつつ背景をブラすテクニックだ。 ズームポジションは望遠側にしよう。ズームポジションがワイドだとマシン小さく写ってしまい、十分な動きを表現できない。
マシンを爆走させる必要はない。ゆっくり走るマシンでも、シャッタースピードを適正に設定すれば、背景は十分に流れてくれる。例えば秒速60cmで走行するマシンでも、1/30秒のシャッタースピードであれば、背景は2cm流れる。
プロポのデジタルトリムを調整して、三脚に設置したカメラの回りを均一に周回するようにステアリングのオフセットを設定すれば撮影も楽で、連射との組み合わせで数をこなせばそれなりの撮影ができる。
撮影に使用したNikkor18-200のノーマルVRモードは、流し撮りの場合には上下方向のブレのみを除去し、水平方向のブレは許容してくれる優れものだ。
(3)最後に
撮影のウンチクはいろいろとあるが、最後はマシンの所有者が気に入った写真が撮れればそれでいい。
ぜひ一生の思い出に残るような一枚を残して欲しい。