WEB:
初めてのハーフエイトクラスエンジンという事で、どんな開発体制を敷かれたのですか?
スターモーター社:
エンジン自体のサイズが既存の製品にない小ささなので、すべてのパーツを新開発する必要があります。そこで、以前から導入して発展させてきた、最新の3D CADをフルに活用しました。このシステムによって、全重要パーツを生産の前段階でシミュレートすることができ、またテストも可能にしてくれました。各段階で予定された性能を推しはかりながら開発を進める事ができ、結果として期待値通りの性能を発揮させる事ができました。
WEB:
小さなエンジンには珍しい、レーシングエンジンと同様の後方排気を採用されていますが、その理由は?
スターモーター社:
確かに通常の側方排気で製造するのが簡単ですが、世界チャンピオンとなったインファーノMP777と同じスタイルにすべきという目標がまずあります。ミニインファーノ09の基本コンセプトですから。また21エンジンでは吸・排気効率の良さを狙って後方排気としたのですが、09でも同じ目的での採用です。よりパワフルなエンジンを開発するには後方排気の方が大きな可能性を与えてくれます。シャシーへの搭載形態も含めると、側方排気では限界があると思っています。
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WEB:
同様の理由でスライドキャブレターも注目されるところですが、よく組込めましたね。
スターモーター社:
このプロジェクトは京商との協力で進められたわけですが、とにかく小さなスペースに妥協なくすべての機能を盛り込むというのが最大の課題でした。将来的な発展性も考慮する必要があり、そのために多くの努力と、常にプロジェクト修正をひるまない覚悟が必要でした。キャブレター関連の設計もその代表例です。小さなスペースで性能を確保し、リンケージのやり易さや発展性の問題等々をクリアしなければなりません。いろんなアイデアがあげられましたが、その中でもっとも画期的な解決策が、このキャブレターの構造だったんです。よく見ていただくと分かるとおり、クランクケースの型にキャブレターを一体化しています。これでスペース問題と量産性の両方をクリアする事ができました。そして性能的にロータリーキャブより信頼性が高く、よりパワフルにできるスライドキャブの採用も可能にしたんです。
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