KYOSHO MASTERS 2005


世界のトップが繰り広げた空中戦に、誰しもがよいしれた!
またとないコミュニケーションチャンスをプレゼントする京商マスターズが、再び日本へやって来た!


1999年、フランスで始まった京商マスターズ


フランスで提唱されて始まった「京商マスターズ」は、インファーノによる1/8バギーの夢の祭典として、ヨーロッパで人気のイベントに成長している。世界のトップクラスのドライバーが集い、技術を競うレースが人気にならないわけもなく、毎回多数の観客を集めている。しかし、それだけでないのがマスターズの魅力。一般参加のレースも開催され、その参戦者や観客はトップドライバー達に直接コミュニケートでき、日頃の疑問をぶつけ、アドバイスを受けるというまたとないチャンスを手にする事が出来るのだ。そんな「京商マスターズ」が、昨年の香川県での日本初開催に続き、今年は埼玉県で開催する事が出来た。今回も一般参加により行われたスポーツマン、エキスパートの各クラスでのレースに加え、トップドライバー達の夢の競演であるインビテーションクラスの3クラスでの開催となった。

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「KYOSHO MASTERS
2004/2005」
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総勢85名がエントリー。初日は予想外の事態に!

スポーツクラスに37名、エキスパートクラスに34名、そしてインビテーションクラスに14名が集った今年の京商マスターズinジャパン。タイトなスケジュールが予想される中、いよいよその日がやって来た。前日の夜から降り続いた雨は早朝にようやく止んだものの、コースやパドックの状態は最悪。ぬかるんだ地面は液状化し、予定通りの開始は不可能と判断。幸いにも青空が見え、太陽がのぞく状態となったが、11時を迎えても未だレースは不可能。ようやくレースを開始できたのは午後2時近くであった。半日以上待機となり、全員が練習走行など出来ないまま、ただでさえタイトなスケジュールを消化するため、大急ぎで予選を消化する事となってしまった。だがある意味これがイコールコンディションに拍車をかけ、力の差を浮き彫りにしたのは間違いないようだった。また、待機時間は選手にとって一ファンに戻るチャンスとなり、インビテーションクラスの選手とのコミュニケーションに勤しむ姿がそこここで見受けられた。同クラスの選手達のパドックを中央にひと固まりに据えたレイアウトのおかげで、気軽に訪れ、声をかける事が出来るため、マシンを持ち込んでアドバイスを受けたり、サインをもらって一緒に写真におさまるなど、楽しい時間を過ごしてもらう事が出来たようである。
早朝まで降り続いた雨のせいで路面はドロドロ。パドック通路にはビニールシートを敷き詰めて対処。コースオープンは2時近くとなってしまった。

勝ち上がり方式ならではの展開が、ドラマチックに盛り上げる!

予選でもっとも良いヒートを基準に決定した順位を元に、スポーツ、エキスパート両クラス共に1/16ファイナルから上位3名が勝ち上がる形式で15分のファイナルがスタートした。この方式だと予選での順位は下位でも、十分にグランドファイナルまでたどり着けるチャンスはある。その事を現実のものとする選手が続出したのがスポーツクラスだ。予選32位の井上稔選手が最終的にグランドファイナルに歩を進めたのは立派であった。またラジコンワールドの副編集長山鼻選手は予選ではリタイヤの連続であったが、1/16で見事3位に食い込み、1/8に出走。このヒートでは上位3台が1/16からの勝ち上がり組という状態をレース終盤まで維持するという、見応えのある展開で会場を沸かせた。グランドファイナルでは2ストップの給油作戦か、あるいは3ストップで手堅く行くかが明暗を分け、結果的に2ストップで突っ走った選手が上位を占める事となった。  エキスパートクラスはさすがにスポーツクラスとは差を見せ、例えば給油タイミングを見てもほとんどの車が7分40秒前後でピットインするという戦略的で計画的な展開を随所で披露した。上位が下位を引き離したのは3連ジャンプのこなし方であったようだ。上位は2山を一挙に越え、3つ目の山は飛行姿勢に気を付け、着地時のトラクション確保に配慮した走法を見せていたのが印象的。下位はどうしても行き当たりばったりのジャンプタイミングとスピードであったように思えた。この手堅さ、安定感は決勝でも反映され、最後まで予選順位の上位組がトップ集団を形成し、そのままの順位で決着をつけたのだった。昨年の覇者である大野敦弘選手は今年も手堅く上位を走っていたのだが、セミファイナルで敗退したのが惜しまれた。

まさに空駆けるマシン! 思わず声を出す超絶テクニック!

そしてインビテーションクラスのグランドファイナルが40分間という長丁場で競われる番が来た。スポーツ、エキスパートの両クラスの選手全員がコースに貼り付き、熱い視線を送る。スタート直後より圧倒的速さで観客を引き込んでゆく。ちなみにスポーツクラスよりエキスパートクラスのラップタイムは1秒強速いのだが、インビテーションクラスともなると、それよりも約3秒弱速いタイムを叩き出しているのだ。  その速さの秘密は3連ジャンプのわきでの観戦でヒントらしきものが見えてきた。他クラスとは着地の音が違うのである。インビテーションクラス以外では、サスの底づきとメインプレートを地面にヒットさせる“ガツン”という音が耳につく事が多いのだが、インビテーションクラスではそのショック音がまず聞かれない。あくまでタイヤが回って地面を掻き始める“ザクッ”という軽い音がするのみ。空中での姿勢制御が絶妙で、左右のロール軸の修正はもとより、ピッチングを制御して、着地地点の傾斜に合わせた前傾姿勢を維持させるのがスゴイ。そのため接地時に4輪すべてがほぼ同時に接地し、スロットルを開けても極端な重心移動が起こらず、そのまま加速していくのである。  観戦者と化したスポーツ&エキスパートクラスの選手達もこの様子に驚嘆の声を上げ続けている。いかんともしがたい実力差をまざまざと見せつけられている感じだ。だがドラテクの各自の進化はこの観察から始まる。これらの走りを目の当たりにした選手達が地元へその感動を伝え、きっと日本全体がレベルアップしていくのであろう。

レースはまさに空中戦の様相であった。いかに空中で姿勢制御できるかが勝敗の鍵を握っていたと云っても過言ではない。

レースは予選から他選手にマークされていたアメリカのJared Tebo選手が手堅く走り続け優勝。2位にRyan Cavalieri選手、3位に我が金井祐一選手という結果になった。初番から上位の順位変動はほとんどなく、安定した走りでこの結果をつかんだのだ。
来年も開催を予定している「京商マスターズinジャパン」。
会場はまだ決定していないが、今回同様見応え満点なのは間違いない。ぜひアナタの参戦、あるいは見学を待っている!

金井 祐一選手のセッティングデータ
Jared Tebo選手のセッティングデータ
Mark Pavidis選手のセッティングデータ
Ryan Cavalieri選手のセッティングデータ
ファイナルはグリッドスタートで開始。給油等はピットロードを駆け上って操縦台下の各自スペースで行われた。



初日夜にはウエルカムパーティーが開催され、友好を深めた。
景品も多数用意され、選手達は大喜び。会長、社長を始め選手諸氏のカラオケでも盛り上がった。
インビテーションクラスの各選手をビデオクルーが取材。近日発売となるのでぜひご覧頂きたい。



■インビテーションクラス参戦選手

チームKYOSHOインターナショナル

 

Yuichi Kanai
金井 祐一(日本)
■2000年 IFMAR 1/8オフロード 世界チャンピオン
■2002年 IFMAR 1/8オフロード 世界戦 第5位
■JMRCA 全日本選手権 優勝8回

2000年の世界戦において念願のワールドチャンピオンを獲得。 名実共に世界の『金井』となる。 自らが設計するインファーノで世界を股にかけたレース活動を展開。 日本国内においては前人未到の8勝をあげ、トップドライバーとして君臨する。

 

Atsushi Kawamoto
河本 篤志(日本)
■2002年 IFMAR 1/8オフロード 世界戦 ファイナリスト
■JMRCA 全日本選手権 優勝3回

チームKYOSHOジャパンを経て、2004年インターナショナル入りを果たす。
冷静沈着なレース運びで常にトップクラスのポジションをキープする。


 

Jared Tebo
ジャレッド・ティ−ボ−(アメリカ)
■2005年 IFMAR 1/10 EPオフロード世界戦 第5位
■2005年 1/8オフロード USAチャンピオン

アメリカの若手有望ドライバー。 今年はアメリカのビッグレースで2勝を上げる。
次期世界戦では旋風を巻き起こす可能性大。

 

Ryan Cavalieri
ライアン・キャバリエリ (アメリカ)
■2003年 IFMAR 1/10EPオフロード世界チャンピオン
■2005年 IFMAR 1/10EPオフロード世界チャンピオン
■2005年 1/8オフロード ROARナショナルチャンピオン

常に安定したドライビングテクニックには目を見張るものがある。
練習は、ほぼ毎日行いそのテクニックに更に磨きをかける。


 

Mark Pavidis
マーク・パビデス(アメリカ)
■2000年 IFMAR 1/8オフロード 世界戦 第4位
■2004年 IFMAR 1/8オフロード 世界戦 第4位

言わずと知れた世界のトップドライバー。 電動の世界では多くのタイトルを持つ。
冷静且つ豪快な走りで他を圧倒する。 日頃はプロラインの開発を行う。

 

Daniel Reckward
ダニエル・レカード(ドイツ)
■1998年 IFMAR 1/8オフロード 世界チャンピオン
■2000年 IFMAR 1/8オフロード 世界戦 第2位

世界的に有名なドライバー。自らRCショップを経営しながらもレース活動をこなす。
世界チャンピオンを獲得しているが、それを感じさせない程、気さくな性格でファンも多い。


 

Miguel Matias
ミガエル・マティアス(ポルトガル)
■2000年 IFMAR 1/8オフロード 世界戦 第3位
■2004年 IFMAR 1/8オフロード 世界戦 第2位

ヨーロッパを代表する若手ドライバー。 メカニックでもある父とのコンビネーションは完璧。

 

Raul Peris
ラウル・ペリス(スペイン)
■2002年 IFMAR 1/8オフロード 世界戦 第2位
■2000年 EFRA 1/8オフヨーロッパ選手権 第2位
■2001年 EFRA 1/8オフヨーロッパ選手権 第3位

ミガエルと共にヨーロッパを代表するドライバー。ピットはフィアンセがこなす事でも有名。


 

Carlo Jacopini
カルロ・ジャコペリ (イタリア)
イタリアを代表する1/8GPバギーコンペティションドライバー。
京商マスターズイタリア大会において金井選手との熱いバトルを見せ、その実力の高さを強烈にアピール。

 


チームKYOSHOジャパン

 

Noriyuki Yagi
八木 則行
■IFMAR 1/8オフロード世界選手権ファイナリスト

チームKYOSHOにおいて金井選手に次ぐベテランドライバー。
その経験からあらゆる路面に対する順応性は天下一品。世界戦のファイナリストでもある。

 

Hideki Kobayashi
小林 英樹
■ 1/8オフロード全日本選手権ファイナリスト

長野にてRCカーショップマグナムを経営する傍らチームKYOSHOとしての活動も行う。
長野での全日本選手権にて初のファイナル進出を果たし、それ以降はファイナルの常連となる。 マシンセットとドライビングスタイルが、はまれば全日本タイトルも夢ではない。


 

Masaru Ishida
石田 勝
■ 1/8オフロード全日本選手権ファイナリスト

京商フィールドテストスタッフを経て1998年、ワークス入り。
常に安定した走りが心情で全日本選手権ファイナル進出も多数あり。

 

Makoto Mogi
茂木 誠
■ 1/8オフロード全日本選手権ファイナリスト

世界戦の出場経験も豊富なドライバー。
もちろん全日本選手権ではファイナルへ多々進出。 今後の活躍が期待される注目株。


 

Kazuya Tanaka
田中 和哉
■ 1/8オフロード全日本選手権ファイナリスト

チーム最年少ドライバー。
プライベーター時代から全日本選手権ではファイナルへ進出し、見事ワークスドライバーの座をゲット。 今年度の全日本選手権でも若さ溢れる走りでベスト10入りを果たす。