専門誌記者レポート「R/C WORLD」 山鼻昌弘氏

 スケールサイズのレベルを超える卓越した走行性能と、絶妙の重量バランスが生み出す軽快な走りで人気のハーフエイトミニインファーノに、ついに本格的なエンジンが搭載されました!

 ここ数年はプライベートのR/Cでもガスパワーモデルばかり走らせ、もはや迫力のエグゾーストを聞きながらドライブしないと、なんとなく物足りなく感じてしまうような体になってしまった私。そんな私にとって、11月1日に世界同時発売となった、手軽なサイズのGPオフロードモデル、ミニインファーノ09の登場は、まさに「待ってました!」という印象。個人的にも強く興味を惹かれていたのですが、今回は量産型の走行テストを行えるというウレシイ機会を与えていただいたので、さっそくそのパフォーマンスを徹底的に探ることにしました。

 世界最速のマシンをモデルにしているミニインファーノ09だけに、せっかくならば本格的なGP用オフロードコースで、どれだけのポテンシャルを発揮してくれるのか、個人的にも、そして世界のR/C雑誌をリードするRCワールドとしても、非常に気になるところ。そこで今回は特別にコースオーナーの許可をいただき、関東のGPオフロードのメッカである埼玉県川島町のSSホビーサーキットでテスト走行を行うことにしました。
 まずは送信機に単三電池8本を入れ、受信機用バッテリーを充電して……なんと、はやくも走行準備完了。組み立て、メカ搭載済みのキットなので、後は燃料を入れて走るだけです。エンジンもたやすく始動させることができ、しかもアイドリングが非常に安定しているので、ニードル調整も楽々。通常、小型のパワフルなエンジンは調整がシビアになりがちなのですが、このミニインファーノ09に搭載されているシリオ09エンジンは、はじめてGPカーにトライする人にでも簡単に調整することができると断言できるほどの特性を見せてくれたのです。

 最初はブレークインを兼ねて甘めのニードル位置からスタートし、後は走らせながら徐々にニードルを絞っていったのですが、サイズに見合わぬ圧倒的なスピードもさることながら、大きなギャップやジャンプをしっかりと吸収しながら、安定して走ってしまうマシンの足周りのよさに、なによりも驚いてしまいました。
 普通であれば8分の1オフロード専用のBIGなサーキットでスモールサイズのマシンを走らせると、すぐに飽きてしまうような状態になりがちですが、このミニインファーノ09は一味もふた味も違っていました。このまま気のおけない仲間と数台でレースをすれば、なんとおもしろいことか! と感じるほどの走行特性を発揮してくれたのです。

 こうなると、あとはさらによく走るようにするためのセッティングあるのみ。8分の1にとっては低速コーナーでさえも、ミニインファーノ09では高速コーナーとなるため、高速サーキットに対応した調整を施し、時の経つのも忘れて一日中楽しく走らせてしまいました。

 本当に、お世辞抜きでミニインファーノGPの走りはエキサイティングそのものです。ぜひ皆さんも、迫力のGPサウンドで豪快に走る“リトルモンスター”を楽しんでください!

BIGなサーキットでも物足りなさを感じないほどの豪快な走りを披露してくれたミニインファーノ09。エントリーユーザーからベテランまでお勧めできる傑作だ!

エンジンの始動性は抜群で、ニードル調整も楽々。誰でも手軽に扱えるマシンという、ミニインファーノシリーズの特徴を見事なまでに継承している。

標準タイヤの角のピンをカットし、操縦性をマイルドにして高速コースに対応。数多くリリースされている専用タイヤを用意すると、さらに調整幅が広がる。


キットには角度の異なるCハブやサスブロック、ダンパーのスペーサーなどセッティングパーツも付属され、簡単に好みの調整が行えるのも大きな魅力。


リアのサスブロックをCタイプに変更。トー角を増やすことで、高速コースでのトラクションを確保。Cハブは後半の巻き込みを抑えるべく、標準の20度をチョイスした。


1/8モデル専用のBIGなコースでも抜群の走破性を発揮し、安定して速いラップを刻んだミニインファーノ09。仲間とのレースにもってこいの手軽なGPマシンだ!


世界を制したマシンの遺伝子を持つミニインファーノ09の走りを徹底的に分析するため、本格的なGP専用オフロードコースで全開走行にチャレンジ!

[ 取材協力/HOBBY SHOP MINOWA phone 049-299-3016 ]

RC WORLD
(株)えい出版社
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